単なるネット怖い映画ではない『search サーチ』感想
総合評価 ★★★★★
カップル率85%のシネクイントでひとりで観ました。
本当にずーーっとPC画面なのに、変な汗が出るくらい怖かったです。いつも見慣れてる画面だから、まったくのフィクションに思えませんでした。
ざっくり感想
途中で飽きる 〇〇〇〇● 最後まで目が離せない
1回観れば十分 〇〇●〇〇 もう一回観たい
帰りはすっと席を立てる 〇〇〇●〇 疲れて立てない
地面を見つめながら家路につく 〇〇●〇〇 スキップして帰る
周りに広めづらい 〇〇〇〇● みんなにおすすめしたい
以下ネタバレ注意!感想
無駄な情報は一つもない
ここも伏線だったの!?って部分がパチパチはまってくのが気持ちよかったです。
覚えてる範囲で
・ポケモンについての会話
・ピーターのハッパ
・ヴィック捜査官と受刑者たちの写真
・「危険な場所だからあらかじめ警察で捜査した」という理由でボランティアの立ち入りが禁止された箇所
・捜索活動中の嵐
・たびたびFaceTimeに映るもすぐ部屋に戻されるヴィック捜査官の息子ロバート
・YouCastNowでのマーゴットの配信にいつもコメントを残していたF&Hのアイコン
他いろいろ…
伏線を読み解くのが苦手なので、デビットが自力で犯人に近づいていくのをただただすごいと思って観てました。
パンフレットには、「勘のいい人は途中で真犯人に気づくくらい、たくさんのヒントをばらまいた」と書いてるくらいなので、私が気づいていないだけでいっぱいヒントがあったんだと思います。
本編で使われてないけど予告であったセリフ「全部ニセモノだーーー!!」から、いったんすべての証拠が白紙になるのかな、と考えていたので、出てくるすべての情報に意味があったのには本当に驚きました!
子を想う親の気持ちのぶつかり合い
マーゴットを見つけたいデビットVSロバートをかばいたいヴィックの対立だったよなあと。
ヴィック捜査官有能そうなのになかなか捜査すすまないなーまあデビットも娘について何も知らないしなーまた警察無能オチかなーと思ってたらまさかの犯人がヴィック捜査官…!!
ヴ「娘さんは逃亡を図ったのかもしれません」
デ「マーゴットはそんな娘じゃない!」
ヴ「親は子のすべてを知っているわけではありません」
という一連の会話は、冷静さを欠いているデビットをなだめるためではなく、逃亡したと思い込ませて真相から遠ざけるためだったなんて思いもしませんでした。
様々な事件を解決してきた優秀な捜査官だったから、人の心を操るのにも長けてるんだろうな。正義の味方が悪に寝返るとこんなに手ごわいんだと怖くなりました…
馬鹿な子ほどかわいい、が行き過ぎると道を踏み外してしまうと学びました。
血を分けた息子じゃなかったら絶対かばわないと思います。親の威光を振りかざして集金とかAHOすぎる。
デビットはデビットで、嘘を書き込んだ高校生を病院送りにしたり実の弟の家にカメラしかけたりと暴走してましたね。
自分の唯一の娘の命がかかってるとはいえ、すごい行動力だと思いました。
あの執念、真実が暴かれるんじゃないかとヴィック捜査官も恐怖したんじゃないでしょうか。
受付嬢のあのセリフがなければデビットは真犯人にたどり着けなかったわけで。ヴィックは先回り先回りして、デビットが飛びつきそうな情報をちょいちょい流して…
それでも疑い続けたのは、娘を取り戻したい、仲直りしたいというただ一つの思いがあったからなんだろうな。
ラストの嵐があったから水あった!生きてるかも!生きてた!はちょっと無理くり感があったけど、生きて見つかって良かったーと純粋に感動しました。
もしバッドエンドだったら星の数2つくらい減らしてたと思います笑
ゆりかごから墓場までバーチャル
ほんっとにPC画面のみで話が展開しててすごかったです。
部屋から出ても、FaceTime、YouTube、あらゆるSNS投稿、ニュース・ラジオサイトで外の様子が見られる演出には感心すると同時にちょっと寒気。仮に窓のない部屋で生活してても、外の世界の知識が入ってくる時代なんだなあと改めて実感しました。
あと個人情報のガバガバさ!!
YouTubeに家族の動画上げまくるのってどうなの?
実名検索でヒットしまくるSNSアカウント!
一つのパスワードが分かれば芋づる式に全部のアカウントに入れる!
アカウント名入れたら電話番号を教えてくれるサービス!!
特に垢バレは背筋凍りました。緊急事態とは言え、親に全部見られたら恥ずかしくて死ぬ。
絶対に実名でSNSやらない、メルアドは複数持たない、パスはこまめに変える!…いい教訓になりました。
ネットリテラシーを学ぶために、全世界の学校で流すべき映画だと思います。本気で。
余談ですが、娘のYouCastNowにログインして配信始めちゃったデビットお父さんはかわいかったです。
誰かが入室してきて、すぐ退室したシーンは笑いが起こってました。数少ない癒しシーン。
まとめ
あちこちにちりばめられる情報から真実を見つけ出す、人によっては謎解きゲームのような感覚を味わえる映画だったと思います。
ネット社会の怖さだけではなく、家族を大切に想う気持ちも丁寧に描かれていて観ごたえ十分でした。
ソフト化したら絶対PC画面で観たい!
映画基本情報
劇場公開日 2018/10/26制作国 アメリカ監督 アニーシュ・チャガンティキャスト ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラーあらすじ
予告