週一映画備忘録

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スナックの袋に負けるキアヌです『おとなの恋は、まわり道』感想

総合評価    ★★★★
 
 
 
予告で謎の唸り声をあげるキアヌ・リーブスが忘れられず、レイトショーで観てきました。
 
 
 

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以下ネタバレ注意感想です。
 
 
 

セリフがない時間=ふたりが映らない時間

フランクとリンジーが出会った瞬間からずっと喋りっぱなしです。
飛行機、タクシー、レストラン、ホテルの部屋、結婚式、果てはラブシーンまで…
「恋愛は言葉じゃない、ムードが大切」なんてクソくらえ!と言わんばかりに会話が繰り広げられます。
あんなにムードのないラブシーンは初めて観ました。子供のころの話とか、今しなくてもいいだろって話を延々とするふたり。ネクタイを何度も肩にかけ直すキアヌが面白すぎる。フランクが着てたジャケットをリンジーの下に敷いてあげるなど、普通ならときめく仕草もあったのに全然きゅんとしない。すごい。
 
会話をし続けることによって、心の深いところには絶対踏み込ませないという防衛をしているのかな、と思いました。
壮絶すぎる子供時代を過ごしてきたせいで、すっかり人間不信に陥ってしまったフランク。
結婚直前に自分を捨てた元婚約者をいまだにあきらめきれず、すさんだ気持ちで結婚式に出席しているリンジー
素直になったほうが楽になるとわかっていても、深い関係を築くことが恐ろしく、言葉で壁を作ってしまうふたり。
体を重ね、なんとなく気持ちが通じ合っていると自覚しても、「こんなのは不毛だ、一夜の夢にしてしまったほうがいい」とフランクが言葉を並べ立てるシーンはその象徴でしょう。
 
そんなのがずっと続くので、観てるこっちはもどかしくて仕方ないです!
「好きだけど言えない><」「この気持ちをどう伝えたらいいのかわからない><」系のもだもだではなく、「いや、そこまでお互いをさらけ出して気持ち伝えてるのに、なんでくっつかんの!?」系のもどかしさを感じられます。
 
 
 

私の知ってるキアヌ・リーブスじゃない

キアヌ・リーブスといえば、『マトリックス』『ジョン・ウィック』などでスタイリッシュなアクションを見せるイケメン俳優のイメージが強かったです。
目的に向かって邁進する寡黙なキャラの印象もありました。
しかしこの作品のキアヌは、口数が死ぬほど多いうえに全然かっこよくない!!
 
・耳に指を突っ込んでうなるクセがある
・テレビと会話する
・お菓子の袋を開けられず、最終的に歯を使いだす
・女性一人お姫様抱っこできない
ピューマに遭遇し、本気でおびえる。撃退するために、耳に指を突っ込んでうなる
・ホテルのアメニティを大量に持ち帰る        etc…
 
ピューマ撃退のシーンは本当に面白いので観てほしいです。
どう見ても勝てそうなのに完全に腰が引けているキアヌが観られます。
 
ビジュアルは休日のジョン・ウィックなのですごくかっこいいんですが…

 

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キアヌ・リーブスってこんなに人間臭いキャラも演じられるんだなあとびっくりしました。
 
 
 
会話の内容は愚痴・皮肉・悪口のオンパレードですが、テンポがいいのでそこまで嫌な気持ちにならず楽しめました。
ビジュアルは最高なのにあまりにも偏屈なふたりのやりとりにニヤニヤしちゃう作品です。
87分と短めなので、おやつでも食べながらサクッと観るのにぴったりではないでしょうか。
 
 
 

映画基本情報    

劇場公開日    2018/12/07
制作国    アメリ
監督   ビクター・レビン 
あらすじ  
キアヌ・リーブスウィノナ・ライダーが4度目の共演を果たし、それぞれ個性が強すぎるために仕事も恋も上手くいかない男女の恋の行方を描いたラブストーリー。絶縁したはずの家族の結婚式に出席することになった偏屈男フランクと、結婚直前に自分を捨てた元婚約者の結婚式に出席する毒舌女リンジー。式場のあるリゾート地へ向かう空港で偶然出会い、口論を繰り返していた2人は、やがて互いが同じ結婚式に向かっていることを知る。現地でもホテルや食事のテーブルなど事あるごとに隣同士にされた2人はうんざりしながらも、口論や会話を重ねるうちに互いの共通点に気づきはじめ……。監督・脚本は「5時から7時の恋人カンケイ」のビクター・レビン。
 
 
キアヌがうなる予告はこちら↓