週一映画備忘録

週に1回は映画を観たい。

上映中はお静かに『エンジェル、見えない恋人』感想

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映画基本情報


劇場公開日    2018/10/13
    制作国    ベルギー
    監督     ハリー・クレフェン
    キャスト    フルール・ジフリエ、エリナ・レーベンソン、
       マヤ・ドリー、ハンナ・ブードローフ、
                       ランソワ・バンサンテッリ

 

 

 

ざっくり感想

    ストーリー    ★★★★★
       とてもロマンチックなおとぎ話。
       奇抜ではないけれど、観終わったあと幸せな気持ちになる。 
    音楽             ★☆☆☆☆
        後で詳しく書くけど正直邪魔だった…"音"は素晴らしいんだけど、
        "音楽"はイマイチ。あの雰囲気に水を差している印象を受けた。
    キャスト       ★★★★★
        ストーリーに負けないくらい、浮世離れした美しさを持つ人ばかりだった。
    総合             ★★★★☆
        エンドロールの後、このまま目を閉じたら素敵な夢を見られそうだと思った。
        現実から離れた優しい世界を味わえる作品。
 
 
 

以下ネタバレ注意!感想

 

 
"音"を聴く
    ずっとこの映画の"音"を聞いていたいと思った。
    あのとき映画を観ていた人すべてが物音一つ立てまいとしていた。ストーリーは優しく穏やかで、手に汗握る展開もない。それなのに、劇場内はただならぬ緊張感に包まれていた。
 
 
    物語は基本的に、エンジェルの目線で進む。エンジェルには姿がないので、彼を見つめるルイーズやマドレーヌの視線は観客に向けられているように錯覚した。息子や恋人にしか見せないようなまなざし、二人だけに聞こえるささやき。産毛まで見えるくらいの距離。スクリーンで隔てられているはずなのに、まるでそこにいるかのような"吐息"を感じた
 
 
 
    ほかにも様々な"音"が普通の映画よりも強調されているように思えた。その音は、盲目のマドレーヌが感じている"音"の世界を観客に体感させたり、エンジェルの存在を際立たせるという役割を果たしていた。
    
 
 
    だからこそ、重要なシーン(マドレーヌとの再会等)で流れるBGMが邪魔くさいと感じてしまった
 
    "音楽"がないからこそ、エンジェルとマドレーヌを取り巻く"音"をよく聴くことができる。映画を観るというよりも、彼ら二人だけの世界をこっそりのぞき込んでいるような気分を味わえる。
 
    そこに作られた"音楽"が入ってくると、「これは映画です!!」と思い出させられてしまって残念だった。
    
 
 
耳以外の幸せ
    耳だけじゃなくて目も、なぜか鼻も幸せになった。
 
 
    目について。
 
    エンジェルの"姿がない"ことの表現が純粋にすごかった。ベッドの沈み方、しわのより方とか。"いる"んだけど"見えない"っていう不思議さがすごく出てたと思う。雨があたったり、お化粧したりすると輪郭が少し浮かび上がるんだけど、あくまで"透明人間"として物語を終えたのがよかった。
 
    マドレーヌはどの年齢でもかわいかった。毛穴も体毛も見えるくらいの接写に堪えられる人なかなかいないよ。
 

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    について。4DXじゃないからにおいなんて出てないはずなのに、「雨が降った後の地面の音が好き」のシーンでは確かに土の匂いがした!!
 
    それくらいあらゆる感覚に訴えかける演出がなされてたと思う。
 
 
 

まとめ

    きれいなものを見た…聴いた…ってなる映画でした。現実世界に戻った時のショックが大きくてびっくりした…
 
    帰り道は耳に入ってくる音がやかましすぎてずっとイヤホンしてた(音無しで)。
 
 
 
鑑賞日    2018/11/02
観賞場所    ヒューマントラストシネマ有楽町
 
 
 
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